2016年9月29日木曜日

平成28年9月29日

[将来を左右する臨時国会]

 26日からいよいよ臨時国会がスタートしました。

 今年一杯、内外とも非常に重要な局面を迎えます。臨時国会はその中で、未来に向けた方針を明確に示す国会でなければいけません。

 まず8月から9月にかけて東日本を中心に、建物や農産物などに大きな被害をもたらした一連の台風について、既に激甚災害指定による国の支援の底上げを決定したところですが、公共事業などのハード面のみならず、生活や事業の再建に対するソフト面を含めて自治体と連携して対応していきます。

 経済のさらなるテコ入れも不可欠です。消費税の引上げ延期をとらえて野党はアベノミクス失敗と主張しますが、賃金の3年連続上昇や雇用環境の改善などが示すとおり、デフレ脱却まであと一歩というところまでは来ています。しかし、英国のEU離脱や新興国経済の失速などによるリスクを避けるために、引き続き大胆かつ効果的な金融・財政政策をとることとしました。加えて、民泊などの規制の見直しや、IoT、AI(人工知能)、ビッグデータ、ロボット、エネルギー、医療、新素材開発などの技術革新、大企業との取引の適正化などを通じ、中小企業も含めた経済の底上げをしっかり行っていきます。

 旅行収支は昨年史上初めて1兆円の黒字となり、外国人観光客は今年過去最高の2000万人を大きく上回る見込みです。しっかり海外の人・モノ・金を呼び込める日本としていくとともに、治安の確保などにも万全を期していきます。

 今国会の大きなテーマがTPP(環太平洋パートナーシップ協定)です。アジア・太平洋地域の12か国、世界のGDPの約4割、人口8億人という巨大な経済圏を作り出し、その成長を日本に取り込める大きなチャンスとなるとともに、自由貿易圏の安全保障の面でも重要な意味を持ちます。
 米国の大統領選候補はいずれも否定的な姿勢を示していますが、オバマ大統領は任期中に承認するよう最大限の努力をすると表明しています。日本が国会承認を通じて先んじて明確な国家としての姿勢を示すことが米国の手続の弾みになりますし、何よりもアジアの国々がそう望んでいます。今反対している野党も政権にあった時にはTPPに賛成の立場だったのです。

 日本は農林水産品の関税撤廃の例外について、他国の平均が1.5パーセントにとどまる中、2割近くを獲得しています。もちろん農家の方々の経営安定のためのセーフティネット構築に万全を期すほか、優れた農産品の輸出など攻めの農林水産業を進めていきます。風評被害の払拭にも全力を尽くしますし、流通なども含めた6次産業化・改革を通じて、希望の持てる産業へとして参ります。私も海外出張の際には地元の狭山茶をお土産にするなど、積極的にブランドの売り込みに動いています。

 一億総活躍社会や地方創生といった取組みも大きく進めます。

 働き方改革の方針を今年度中にまとめ、同一労働同一賃金を進めて不合理な非正規雇用の待遇を是正していきます。また、高齢者の活躍・女性の活躍をさらに進めるとともに、若者の雇用もしっかり確保していきます。長時間労働を是正し、仕事と家庭との両立をしっかり進めるとともに、労働時間に依存しない新しい働き方を模索していきます。野党は「残業代ゼロを進めようとしている」などと主張していますが、そうした批判は全く当たりません。

 消費税の引き上げは延期しますが、50万人分の介護の受け皿を前倒しで整備し、自治体と密に連携して地域包括ケアとしての実効性のある仕組みを作ります。保育や小学校の放課後の受け皿作りも、学校施設をより一層活用できるようにすることを含めて加速していきます。ひとり親家庭の支援拡大や給付型奨学金の検討も進め、教育の機会均等を図っていきます。そして介護人材や保育人材の待遇改善を一層進めます。
 無年金対策についてもその重要性に鑑み、年金受給期間の25年から10年への短縮を来年度中に実施します。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の公的年金運用についても、長期的な最大限の安定運用を専門家の意見を踏まえて進めています。

 スマートインター・都営12号線・クールジャパンフォレスト構想などの地元の懸案も含め、インフラ整備やまちづくりをしっかり進め、地域の活力を最大限に生かしていきます。

 外交・安全保障に目を転じれば、中国や韓国との関係改善やロシアも含めた領土問題、北朝鮮による核実験やミサイル発射など、難題が山積しています。IS(いわゆるイスラム国)などによるテロの脅威にもしっかり対応していかなければいけません。

 私は安全保障担当の首相補佐官として、総理・官房長官・外務大臣・防衛大臣たちとともに、精力的な外交や対外支援などの方法によりまず問題解決を目指し、平和安全法制など現実的な防衛体制の整備によって私たちの命と暮らしを守ることに全力を尽くします。戦争推進などの批判はもってのほかと考えます。

 引き続きのご支援を心からお願い致します。

2016年9月18日日曜日

平成28年9月18日

[炎の弾丸出張シンガポール編]

 9月15日未明から17日の早朝にかけて、シンガポールへの弾丸出張に出かけました。

 シンガポールとは今年外交関係50周年を迎えており、4月にはバラクリシュナン外務大臣が訪日して岸田外務大臣と会談したほか、8月には安倍総理がナザン前大統領の弔問に訪問しています。私は総理の命を受け、ハイレベルのフォローアップ外交をすることになりました。

 まずはバラクリシュナン外務大臣を訪問し、安倍総理から預かったリー・シェンロン首相宛ての親書を手渡すとともに、経済協力関係の強化や、緊迫する南シナ海・北朝鮮などでの安全保障状況について率直に意見を交わしました。当方の主張について十分理解し、行動していただけるものと信じます。
 また、ReCAAP(アジア海賊対策地域協力協定)事務局を訪問し、日本のシーレーンとしても重要なマラッカ海峡周辺の治安の課題について議論するとともに、ウン・エンヘン国防大臣と会談して防衛協力の強化について合意しました。

 シンガポールは最近も日本を含め世界中から投資が相次ぎ、かつ東南アジア諸国の中で日本が最初に防衛協力・交流の覚書を署名して以来安全保障上も重要なパートナーです。そしてASEAN関連首脳会議において対中調整国という重要な地位を占めています。

 印象的だったのは、TPPの行方に関して外相も国防相も非常に関心を持ち、日本の臨時国会での審議日程について色々質問してこられたということです。米国大統領選挙のスケジュールも含め、このTPPがどれだけ重要な意味を持つか再認識しました。

 そして今回の出張のもう一つの重要な目的は、講演やパネルディスカッションを通じた日本の広報活動でした。

 以前同僚だった田村耕太郎元参議院議員からのお声掛けで、米国のシンクタンクであるミルケン・インスティテュートの主催するアジア・サミット2016にパネラーとして登壇し、PEZY Computingの齊藤元章社長・大和証券の田代桂子専務・AZULA INTERNATIONALのAdrian Zechaチェアマンとともに、日本経済の現状と課題を熱く語り合いました。アベノミクスがまだ技術革新やインバウンド強化などで第2ロケットに点火できることを強くアピールできたと思います。

 また、国立シンガポール大学を訪問し、各国から集まった気鋭のビジネススクール生の前で講演し、活発な質疑応答を行いました。
 さらに、ブルームバーグ社の単独インタビューにも応じ、金融・経済問題についてコメントしました。

 強行日程で英語のミッションも多かったのですが多くの方々のご尽力で頑張り通せました。また、2年前の衆議院内閣委員長としてのIR(統合型リゾート)法案審議の際の視察の時よりさらにシンガポールが大きく発展していることに感銘を受けました。

 今後ともしっかり同国との連携を図っていきます。

2016年9月14日水曜日

平成28年9月14日

[北朝鮮核実験に実効性のある対応を]

 今月5日のミサイル発射に続き、北朝鮮は9日、過去最大規模の爆発による核実験を実施しました。

 直後に首相官邸では国家安全保障会議を開催し、情勢分析や今後の方針を確認しましたし、自民党本部でも北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部が開催され、日本独自の対北朝鮮制裁強化を含む提言を発表しました。

 北朝鮮はSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射にも成功しており、その驚異的な技術進歩に鑑みれば、米国を含む近隣国を対象とした核弾頭ミサイルによる攻撃力を備えるのはそう先のことではないでしょう。国連安保理がいち早く非難声明を出したほか、制裁強化に向けて動いているのは当然のことです。

 問題は制裁が決まったとして、それが実効性を伴うかどうかです。私は上記した党本部の会議で、同僚からキューバなどの北朝鮮親密国からの支援を止めさせるよう働きかけるべきだと意見が出されたのに続き、既存の制裁の枠組みについてもきちんと実施されているかの検証が必要だと発言しました。
 米国では中国の石炭輸入減少額の推移などに鑑み、同国が制裁の抜け穴となっているのではと指摘しています。日米韓はもちろん、中露など関係国が一丸となっていかなければいけません。

 日本はしっかり働きかけを各方面に進めていくとともに、万一にも国民の安全が脅かされることのないよう、情報収集や防御技術の向上を全力をあげて加速していきます。

[エネルギー政策のバージョンアップを]

 前回のこの欄で風力発電所の視察について触れましたが、私が会長を務める自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟のメンバーで、菅官房長官と世耕経産大臣にその視察を踏まえた緊急提言を行いました。

 高速増殖炉もんじゅの抜本的な見直しが報道され、温暖化ガス削減を内容とするパリ協定が発効の見通しとなる中で、また安全保障面からも地方創生面からも、既に劇的に技術革新が進んできている再生可能エネルギーの最大限の普及が必要です。提言では

1.広域運用を含め、再生可能エネルギーの更なる導入を可能にする系統を構築すること
2.特に風力発電の環境アセスメントの期間短縮に加え、買い取り固定価格を既定事業者に不利にならないよう配慮すること
3.電源表示充実や、東電パワーグリッド社の検針トラブルによる新電力普及阻害是正など、電力全面自由化による再エネ普及環境を整備すること
4.再エネ関連市場整備・規制見直し・バイオマスや水素活用などへの支援

等について詳細に盛り込ませていただきました。これからのエネルギー政策をリードしていきたいと思います。

2016年8月28日日曜日

平成28年8月28日

[勢いを続けて]

 熱戦が連日展開されたリオ五輪が幕を閉じました。

 日本は過去最多の41個のメダルを獲得し、注目されていた金メダル数も12個で世界6位と大健闘でした。金メダル以外でも、団体の力で世界の度肝を抜いた男子陸上400メートルリレー銀メダル、男子テニスや男女卓球の大活躍などは私たちの心を熱くしました。

 選手の体格や練習方法の向上ももちろんですが、かつて重圧につぶれ、本番に弱いと言われていたメンタル面やコンディション調整の強化が功を奏したのではないかと思っています。官民一体となったスポーツのレベル・裾野それぞれの支援も実を結んだでしょう。

 この結果が私たち国民の元気と底力を呼び起こし、日本全体のさらなる発展に結びつくことを祈っています。2020年東京五輪に向けて、新都知事ともしっかり連携して取組みを進めることが必要です。また、先日ロンドンでの腐敗防止サミットで私が発表した「スポーツ界での腐敗・薬物撲滅」についても、ガバナンス強化を含めて成果を出さなければいけません。

 もちろんこの勢いをリオ・パラリンピックにもしっかり維持し、注目し続けることも大切です。

[レベルが変わった台風被害]

 23日に東日本を直撃した台風9号は各地で大きな被害をもたらしました。災害が少ないと言われる私の地元である所沢市・ふじみ野市・三芳町でも、河川の増水や道路の冠水による床下・床上浸水、建物の傾斜、畑作物の被害など、かつてない状況となっています。

 これまで所沢の東川氾濫対策などが講じられてきましたが、温暖化の影響でレベルが変わったのかやはり自然の猛威は恐ろしいです。県・市・民間の各位の懸命のご努力により何とか乗り切れましたが、今後も台風が予想されることもあり、引き続き警戒するとともに、各地の防災訓練などに積極的に参加し、被害を最小限に抑える取組みも必要でしょう。私も27・28日と地元で開催される防災訓練に参加し、強化を呼びかけています。また、国の方で防災や被害回復に何ができるかしっかり検討して参ります。

[再エネの新たなステージ]

 来年の再生可能エネルギー買取り価格がどうなるか、経済界やエネルギー関係者が注目しています。無論コストが低くなることは経済全体にとってプラスなのですが、原子力発電所再稼働も難しい中で、純国産エネルギーの再生可能エネルギーを普及させ、まち興しにつなげることも大切です。
 自民党の再生可能エネルギー推進議連会長として、茨城県のかみす洋上ウィンドファームや深芝風力発電所の5メガワット風車(軸の高さ90メートル・ローター直径126メートル)の視察をするとともに、今後の普及のための方策についてヒアリングを行いました。しっかり実行に移していきます。

[日中韓外相会談の実施]

 東京で日中韓外相会談が実施され、尖閣問題や北朝鮮ミサイル問題を含めたこれからの地域安定に向けた取組みが話し合われています。機を同じくして実施された日韓フォーラムには両国の議員・学者・メディアなどが参加し、今後の両国の関係をどうするかについて率直な意見交換があり、私も参加して発言しました。

 日韓では昨年末の歴史的な慰安婦問題に関する合意を着実に実施し、その次のステージに進んで安全保障や経済の問題に取り組んでいくことが必要です。友好とともにしっかりと国益を守って参ります。

 時代の流れは早く、政治は難しい局面を迎えます。高支持率におごることなく、謙虚に、しかし着実に、努力を重ねる所存です。

2016年8月4日木曜日

平成28年8月4日

[新体制のスタート]

 昨日3日、第3次安倍内閣の第2次内閣改造が行われました。

 私を含め、官邸人事は世耕弘成官房副長官が野上浩太郎参議院議員に変わった以外は全員留任となり、引き続き総理を近くで支えることとなります。

 初入閣は8人ですが、重要ポストと呼ばれる所には留任も多く、党の派閥への一定の配慮と適材適所を両立した人事と言えると思います。私より年下は丸川珠代オリンピック・パラリンピック担当大臣の他は沖縄北方担当の鶴保庸介大臣(1歳下)のみで、若手の抜擢はさほどではありませんが、政権の安定が重視された形です。なお、「山本」姓の大臣が、公一環境大臣・有二農水大臣・幸三地方創生大臣と、お名前に一、二、三がつくお三方が就任されたことが話題となっていますが、実は高市早苗総務大臣もご結婚後の本名が「山本」です。
 党人事については、二階俊博幹事長、細田博之総務会長、茂木敏充政調会長、古屋圭司選対委員長という重鎮かつ総理の意を汲む人事であることにより、しっかりしたマネジメントができることを期待します。

 新体制はデフレ脱却と財政再建の両立を目指し、一億総活躍や厳しい安全保障環境への対応など課題が山積する中、針の穴を通すような作業を進めていかなければなりません。私も全力を尽くして参ります。

[北朝鮮のミサイル発射は脅威倍増]

 昨日午前7時53分頃、北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に向けて発射し、弾頭部分が初めて我が国のEEZ(排他的経済水域)内に落下しました。
 事前通告もなく、当時近くを日本の漁船が航行するなど極めて危険な事態をもたらしており、日本は直ちに北京の大使館ルートで北朝鮮に対して厳重に抗議したところです。首相官邸では私も出席して国家安全保障会議を開催し、情報収集・分析と国民への迅速かつ的確な提供、航空機や船舶の安全確認の徹底、不測の事態に備え万全の体制を国際社会と連携して取っていくことについての総理指示を確認するとともに、今後の対応についても議論しました。

 今回の行為は国連安保理決議に違反し、制裁措置が継続する中でかつ内閣改造のタイミングで実施され、しかも上記した極めて危険なものです。24時間・365日の警戒や対応の強化を、米国や韓国などと連携して行っていきます。

2016年8月1日月曜日

平成28年8月1日

[未来に活かすべき都知事選]

 昨日7月31日に投開票が行われた東京都知事選は、小池百合子候補の圧勝で幕を閉じました。

 前回のこの欄で私は、「候補者擁立は大変混乱していますが、無党派層が多い東京でどのような結果が出るかは予断を許しません」と書きました。自民党が推薦した増田寛也候補が落選したことは残念です。

 しかし、時事通信が実施した出口調査によると、自民党支持層の52パーセントが小池候補に一票を投じており、増田候補の40パーセントを上回っています。このことを私たちはしっかり受け止めなければいけません。

 確かに、自民党東京都連が推薦候補を決定する会議に、小池さんは所属議員として参加していながら、執行部一任という決議に異を唱えることなく、そのうえで直後に出馬表明の記者会見を行ったと伺っています。
 こうした経緯や、その後増田候補への推薦が自民・公明両党での手続を踏まえてなされたことに鑑みると、小池さんの立候補を筋として認めたくない党の事情はよくわかります。私自身、増田候補のために東京での知人を紹介するなどの活動を行いました。

 しかし都民にとっては、こういった内輪の手続の話はあまり関心の対象とはなりません。また、その後の選挙活動では、小池候補が過去に政党を渡り歩いたり自民党総裁選で勝ち馬に乗ろうとしてきたりという行動をとったことを批判する声を聞きましたが、これも一緒に仕事をしてきた私たち自民党議員には「信頼のおける人物かどうか」という点である程度わかる話であっても、一般の方々にとってはどうでもよいことでしょう。

 小池候補としては、防衛大臣や環境大臣などの閣僚を務め、党三役の一つ総務会長も経験し、これから都知事に活路を求めるしかないと考えたうえで、現在の党や都連の状況下ではそれが難しいと判断して乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負に出たのだと思います。そして都連としては、参院選をはさんでなかなか難しい状況であったとはいえ、「勝てる候補が他にいるのか」「小池さんとの修復はできないのか」迅速に判断するべきだったでしょう。危機管理を表す言葉に「火事は最初の5分間、選挙は最後の5分間」というものがあります。
 時間が経過する中、小池さんは自民党への推薦依頼を撤回し、「都知事になったら議会を冒頭解散する」という発表を行い、私たちの度肝を抜きました。

 おそらく世話になったであろう都議会議員を、まだ知事候補として都議会との政策の対立が顕在化する前に、法律上できない解散により職を奪うと宣言することは、小泉元総理の劇場型政治にも見られなかった異例のことであり、まさに抵抗勢力を演出したもので都連としては許しがたいものだったとは思います。
 しかしそれに対抗して、除名をほのめかして親族にまで締め付けを図ろうとするなどはこれまた異例のことですし、石原元都知事の「厚化粧の女」発言も相まって、結果として小池候補のけなげさを演出する劇場型選挙にどんどん手を貸す結果となりました。増田候補は優秀で実績のある方だと思いますが、やはり広報・発信の面でおくれをとっていたことは否めません。

 ちなみに、今回野党陣営は保守分裂の間隙を縫って、キャスターとして知名度の高い鳥越俊太郎氏を統一候補として擁立する戦術に出ており、その信条や体調などを考えると、鳥越候補の当選だけは絶対阻止しなければならないと思っていました。
 小池候補が無党派層を捉える選挙戦を展開する中で、増田候補に肩入れをし過ぎることを自民党の本部や安倍総裁が避けたように見えたのは、小池候補との亀裂を最小限にしたいということに加えて、鳥越候補を利することを避けようとしたこともあると思います。

 結果は出ました。小池さんや応援した現職議員を処分するべきだとの声もありますが、それ以外にも小池さんを応援した自民党関係者が多数いたことや、上記したとおり自民党支持者の半分以上の有権者が小池さんに投票したこと、この間の事態の推移が混乱を極めたことなどを考えると、それより先に通さねばならない筋があるように思います。

 今後、目前に迫った東京オリンピック・パラリンピックや、首都防災・超高齢化対策など、山積する課題を解決するため、高村党副総裁が指摘されるとおり、「誰がなっても東京都知事とはしっかり関係を築く必要がある」のではないでしょうか。

[心配される谷垣幹事長の容態]

 内閣改造や自民党役員人事を控え、谷垣幹事長が自転車で転倒して頸髄を損傷したことが大きな足かせとなっています。

 夏の参院選で私の地元所沢を含め、全国を飛び回り、党をまとめてこられた谷垣幹事長の一日も早い回復を心からお祈り申し上げます。幹事長が辞任を表明され、残念な気持ちで一杯ですが、政府と党がしっかり連携してその思いを引き継げるよう、私もいかなる立場になろうとも全力を尽くす所存です。

2016年7月11日月曜日

平成28年7月11日

[厳しい現実に目を]

 昨日10日に投開票だった参院選で、与党は当初の目標どおり改選議席の過半数を確保しました。

 私の地元、埼玉選挙区でも、自民党公認の関口昌一候補と公明党公認自民党推薦の西田実仁候補が共に当選し、定数3のうち与党で2議席を確保できて胸をなで下ろしたところです。

 しかし岩城光英法務大臣、島尻安伊子沖縄北方大臣という、日頃からお世話になっている二人の現職閣僚や、特に東北地方の1人区を中心に、落選した方々も少なからずいたことを重く受け止めなければいけません。私も今回、山口・福島・長野と応援に入りましたが、1勝2敗となり、忸怩たる思いをしています。

 野党共闘が政策無視の野合であると訴えたことはある程度有権者の理解を得られたと思いますが、接戦で負けた選挙区の多くは、実はかつて90年代、自民党から離党して連立政権を作った議員またはその後継者の地元でした。
 また、アベノミクスは正しい道であると確信していますけれども、農業県ではまだその実感が薄く、TPPに対する不安もあったかもしれません。東北の被災地については廃炉・除染・風評被害対策など、これからが正念場という側面もあります。

 私たちはこうしたことを踏まえて丁寧な政権運営をすることが必要になってくるでしょう。
 また、野党共闘や「改憲阻止」の運動は決して軽視することはできません。メディアは「改憲勢力3分の2確保」と大きく報じています。これはかなりミスリーディングで、どの条文をどう変えるかについてこれら各党の間で一致した意見がある訳ではありませんし、何よりも国民投票で過半数の賛成がなければ憲法改正は実現しないのです。ここでも開かれた丁寧な議論を国会でしていくことが必要です。憲法改正の発議は政府が行うのではなく、衆参両院で行うのです。

 参院選が終わったら、すぐ首都東京の知事選挙が行われます。候補者擁立は大変混乱していますが、無党派層が多い東京でどのような結果が出るかは予断を許しません。

 厳しい現実から目を背けることなく、しっかり地に足の付いた活動を進めて参ります。