2017年1月18日水曜日

平成29年1月18日

[炎の弾丸出張カンボジア編]

 1月15日から17日まで、1泊3日の強行日程でカンボジアに出張してきました。厳寒の埼玉・東京との気温差は30℃を超えていました。

 折しも総理もオーストラリアと東南アジア3カ国を歴訪中であり、政府全体でこの地域の法の支配の確立とわが国の経済とのウィン・ウィンの関係を進めていくのに重大なミッションでした。当然官邸ではしっかり企画を詰めています。

 特にカンボジアは過去において大国の目まぐるしい関与と大量虐殺などの国内政治の荒波に翻弄され、アンコールワットという世界最高の遺産や投資環境の潜在性に恵まれているにもかかわらず、まだまだ経済発展はこれからというところです。

 今回は、日メコン友好議員連盟の塩谷立会長・元文部科学大臣や、この国に多くの学校支援をしてきている渡邉美樹議連事務局長・参議院議員、山本一太議連幹事長、吉川ゆうみ参議院議員とともに、政府要人や議会関係者のみならず、大学関係者、カンボジア日本人商工会関係者、若手与野党国会議員などと幅広い交流を短い日程の中で行い、大変充実した成果をあげられたと自負しています。

 長くこの国の政治をリードし、もはや「レジェンド」の感があるヘン・サムリン国民議会議長、ダボス会議に出席のため不在だったフン・セン首相の名代となっているソー・ケーン副首相兼内相、首相のご子息でもあるフン・マネット王国軍統合参謀次長といった与党関係者とは、カンボジアの日本との極めて良好な関係を今後も発展させること、そのための人材育成にしっかり日本も関与していくこと、ASEAN地域の一体性の重要性などについて認識を共有するとともに、トランプ新米国大統領の誕生に伴う地域のこれからの安全保障や法の支配について真摯に議論させていただきました。

 そして、今年の地方選挙や来年の国政選挙での動向が注目される野党救国党のケム・ソカー党首代行にもそのビジョンをしっかり伺うとともに、いかなる選挙結果であっても政治がしっかり安定することが経済にとっても極めて重要であることを強調させていただきました。

 私が弁護士の時代から日本はこの国に対して民法などの法整備支援をしてきたところであり、制度上の経済インフラの充実はこれからだという話ですが、日本・中国をはじめ外国資本による開発は急ピッチで進んでおり、在カンボジア日本企業の方々によると、ベトナムとタイの結節点としてのカンボジアの潜在性はとても高く、日本の製品や事業への信頼も素晴らしいので、是非日本に対してそれをアピールして欲しいとのことでした。
 また、驚いたことに、カンボジアの国立経営大学学長も、カンボジア工科大学の学長も、王立プノンペン大学の学長も、最高国家経済評議会顧問も、全て日本への留学経験がおありとのことで、これからの人材交流の重要性と可能性を感じた次第です。

 サイ・チュム上院議長や与野党の次世代リーダーとなる議員たちとはこれからのカンボジアと日本の議員交流促進について語り合いましたが、皆さん日本への関心が高く、今月中に訪日される議員もおられます。しっかりこれからの両国間の架け橋となれるよう全力を尽くして参ります。

2017年1月2日月曜日

平成29年1月2日

[不透明へのチャレンジ]

 皆様におかれましてはご清祥にて新たな年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

 昨年、特に海外では、イギリスのEU離脱、米国のトランプ大統領候補の当選など相次ぐ波乱や、各地で相次ぐテロ、難民問題などに大きく揺れ動く1年でした。北朝鮮の度重なるミサイル発射や核実験、韓国で発生している政治的混乱なども世界秩序に与える懸念が指摘されています。

 一言で言うと、今年は「不透明へのチャレンジ」の年になると考えています。

 総理が年末に真珠湾で指摘された「和解の力」は、異なる価値観を持つ者(国)同士、あるいは不幸な恩讐を超えられずにいる者(国)同士が、未来に向けて共通の着地点を真摯に模索することの大切さを訴えています。これがどこまで進むか、そのための環境整備ができるかが問われています。
 そしてまた、不透明な事象を解決して行くには「法の支配」を、手続面を含めて、浸透させていくことが不可欠だと考えます。

 昨年、美しい伊勢志摩のもとで開催されたG7首脳会議の参加者のうち、今年は実に4人がその地位を去ることが決まっています。今、もっとも安定している日本が世界でそのリーダーシップをとる必要があるのです。

 早速1月にはトランプ政権が発足します。幸い、現時点では世界経済は期待相場に沸いていますが、いよいよその真価が問われることになるわけです。しっかりした船出を支えるとともに、保護主義への警鐘を鳴らすことが必要となってきます。
 韓国に関しては、一昨年の日韓合意の破棄を唱える勢力が台頭していますが、そのようなことがいかに両国の関係のみならず世界秩序や半島の安定を損なうかを冷静に考えるよう訴えていく必要があります。

 私の担当する安全保障分野も課題山積です。適切な危機管理ができて初めて平和や安定が実現することになるのです。幸い特定秘密保護法や平和安全法制などの整備のもと、あるべき情報収集や方針立案などが進みつつありますが、これからも限られた財政の中きちんとした体制整備ができるよう尽力して参ります。沖縄をはじめとした地域との粘り強い対話やサイバーセキュリティの取組みも焦眉の急です。

 一方、目を国内に転じれば、今年は少子高齢化がもたらす社会、特に地方の衰退に対応し、活力をどう取り戻すかが大変大きな課題となります。女性・高齢者の活躍支援や、IoT、AIなどイノベーションの劇的な推進のみならず、世界の人・物・金をどのように取り込んでいくかが鍵となってくると思います。そのための環境整備に努めます。私の地元も含め、地域発展に何が求められているかをきちんと見極めていきたいと思います。熊本や東北の復興支援も「自立」という価値に重きを置きつつしっかり行う必要があります。

 働き方改革は、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の推進などがテーマになりますが、日本の社会構造全体に影響する可能性があり、丁寧に議論する必要があります。
 農業改革も含め、国家戦略特区などを利用したきめ細かい、しかしパワフルかつ迅速な、規制改革の取組みが求められます。

 そして、私が心血を注いできたコーポレートガバナンス改革を徹底し、企業の「稼ぐ力」を増進するとともに、投資・成果・賃上げの好循環を確立しないといけません。安倍政権の安定度はやはり経済の安定に大きくかかっていると考えます。

 将来世代に思いを致す時、人材育成・財政再建・環境問題は非常に重要なテーマです。社会保障制度改革は待ったなしですし、環境はエネルギー問題と切り離して考えることはできません。今年は極めて重要な局面を迎えます。現場の声を聞きつつ、結果をきちんと出していきたいと思います。

 私は自分を「乱世の政治家」だと思っています。日本も世界も平穏であることを心から望んでいますが、きちんと方針を持ち、全力を尽くす所存です。憲法、選挙制度、皇室、様々な大きなテーマも抱えていますが、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げます。